Trend 3

一部の企業は依然としてサードパーティCookieに頼っている

背景

来年のどこかで、GoogleはCookieを段階的に廃止していきます。これに伴い、企業は顧客体験のパーソナライズを持続させるために、ファーストパーティデータの取得に追われています。移行は容易ではありません。しかし、サードパーティCookieよりもファーストパーティデータの方が有意義であることを認識している企業であればチャンスと言えます。

とはいえ、データ収集は、データを活用できなければ意味がありません。パーソナライゼーションのために、企業はファーストパーティデータへの依存を強めているため、データのメリットを最大化し、優れた顧客体験やマーケティング成果を実現するには、適切なコミュニケーションツールへの投資が不可欠になります。

53%の企業が、自社のマーケティング戦略はサードパーティデータに依存していると回答しています。 

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Cookieがなくなる一方、確実に準備を進めている企業

Cookieがもうじきなくなることを受け、多くの企業ではすでにファーストパーティデータに切り替えています。昨年、マーケティングでファーストパーティの顧客データを使用していると回答した企業はわずか19%でした。しかし、今年は48%まで急増し、調査した企業のほぼ半数を占めました。

しかし、変化を受け入れることに消極的な企業もあります。現在のところ、Cookieのない未来に向け万全な準備をしていると回答した企業は、3社中2社にとどまります。昨年からわずかに増加したにすぎません。34%の企業が、すべきことを山ほど抱えている状態と言えます。

依然としてマーケティング戦略はサードパーティデータに「完全に」または「ほとんど」依存している割合。昨年の50%からは減少

顧客を理解するために企業が最も投資しているツール

ビジネスの成功を促進する顧客データが持つ本来の力

自社のチャネルで顧客とのやりとりからファーストパーティデータを収集するのは、企業にとっての戦いの序章にすぎません。収集したデータを活かさなくては意味がなく、データを分析し、理解する方法が必要になります。今の大多数の企業は、これが不足していると主張しています。

多くの企業では、CRM、CDP、CPaaSなどのツールを自由に使用できますが、顧客を真に理解していると言い切れる企業はほとんどありません。実際のところ、顧客の理解に必要なツールを所有することについて「強く同意」すると回答した企業は、4社中わずか1社でした。 

AIは、企業に大きなチャンスをもたらします。膨大な顧客データを分析し、実用的なインサイトを導き出し、顧客が好むチャネルでパーソナライズされた体験を提供することができるようになります。

クッキーレスの未来に備えているエンゲージメントリーダー

一部の企業は、他の企業に比べ準備が進んでいます。エンゲージメントリーダーは、Cookieがなくても十分に対応できる状態と言えます。以下の傾向が高いためです。

顧客の理解に適したツールを所有することに「強く同意、またはある程度同意」。

顧客を完全に把握している。

重要な顧客データにアクセスできることに「強く同意、またはある程度同意」。

顧客の理解に適したツールを導入している企業の割合(成熟度別)

適切なツール、明確なデータ、一貫性のある顧客プロファイルがあれば、Cookieがなくても、これらの企業はパーソナライズされた顧客エンゲージメントを継続的に提供できる有利な立場にあります。

各国の最新動向

2023年は、ほとんどの地域の企業がサードパーティデータへの依存を減らしましたが、香港、マレーシア、イタリア、シンガポールでは依然として「ほとんど、完全に、または半々で」サードパーティデータに依存しています。不思議なことに昨年は、Cookieのない未来への準備状況が、2022年よりも後退した国もありました。これは、Googleが非推奨期限を遅らせていることが原因である可能性があります。

Cookieのない未来に向けた準備が万全であると企業が回答した国々

今から取り組むためのインサイト

2024年にサードパーティデータから移行し、Cookieレスの戦略を取り入れるには、次のヒントをご覧ください。

調査データ

企業のマーケティング戦略において依存する顧客データの種類

企業におけるサードパーティデータへの依存度変化(対前年比)

Cookieレスな時代に向け準備が万全であると回答した企業

顧客の理解に適したデータを所有していると回答した企業の割合

事例紹介

CraftJack、データ収集を簡素化して顧客とのコミュニケーションを改善

CraftJackは、住宅所有者が、地域の熟練した信頼性の高い請負業者を見つけることを支援しながら、サービス事業者には質の高い見込み客を提供します。  

CraftJackの既存の顧客エンゲージメントチャネルをTwilio SegmentのCDPと接続し、既存のサードパーティのメールプロバイダーやSMSプロバイダーの代わりにTwilio Engageを利用することにより、信頼性の高い最新の顧客データでキャンペーンを促進し、パーソナライズされたコミュニケーションを実現しました。