トレンドその4

信頼を築く鍵は、「透明性」と「信頼性」

企信頼は高まりつつある──でも、それを維持できるか?

信頼における最大の脅威のひとつが「データプライバシー」です。 「自分のデータを企業に全面的に信頼して預けている」と答えた消費者はわずか15%。残る85%は、個人情報が本当に安全に扱われているかに懐疑的です。

さらに深刻なのは、消費者の61%が「企業は自分たちの利益を優先している」と感じている点です。 実際、消費者の懸念は的を射ているのかもしれません。90%の組織が、コンプライアンスの課題に直面していることを認めています。 

企業が直面している主な課題は以下の通りです。 53%が「データ保護・プライバシー」に関する課題を経験し、51%が「サイバーセキュリティや脅威への対応」に苦戦しています。これでは、安心はできません。

信頼は高まりつつあるものの、それは決して「当たり前」ではありません。 維持するためには、セキュリティ対策にとどまらず、透明性、説明責任、そして顧客の利益を最優先にする姿勢が常に求められます。結局のところ、信頼を築くには時間がかかりますが、失うのは一瞬です。

自分が支持する企業を強く信頼していると答えた消費者の割合

45%の企業が、顧客データの保護を2025年の最重要課題として挙げ、昨年の39%から増加しています。

利便性と慎重さのバランスをとるには

消費者はデータの取り扱いに懸念を抱きながらも、パーソナライズが進むならば情報提供に前向きな傾向もあります。ただし、共有のしやすさはデータの種類によって異なります。企業に共有しても問題ないと感じる情報もあれば、ためらいや慎重さを呼ぶ情報もあります。

では、それぞれに該当するのはどんな情報でしょうか?世界的に見ても、性別(92%)、年齢(87%)、連絡手段の好み(83%)などは比較的共有しやすいとされています。一方で、位置情報、SNSの利用状況、収入情報といったプライバシー性の高い情報には慎重な態度が見られます。

パーソナライズされた体験が“非常に重要”または“重要”と答えた割合(世代別)

企業と共有したくない個人情報の種類(上位5項目)

1.収入に関する情報 
2.SNSでの活動内容
3.位置情報
4.職業・役職
5.交際ステータス 

興味深いことに、Z世代はプライバシーに最も敏感。位置情報を共有することに抵抗がないのは46%にとどまり、交際ステータスを共有することに抵抗がないのはわずか53%です、これに対してシニア世代はそれぞれ66%、62%です。 

地域別の違いも見逃せません。支払い方法の共有に前向きな割合は、米国(69%)、EMEA(67%)、APAC(77%)、LATAM(82%)となっています。LATAM地域では、交際ステータスやSNS情報の共有にも前向きな傾向が見られます。 

このように、プライバシー性の高いデータを共有する際には、悪用リスク(なりすまし、第三者への転売など)を心配する声が根強くあります。それでも、パーソナライズとプライバシー保護が両立することを証明すれば、企業への信頼と共有の意欲は高まる可能性があります。 

信頼を再定義する:いま消費者が重視していること

信頼の「決め手」は変わりつつあります。

昨年、最も重視されていたのは「データ保護」(62%)でしたが、今年は「レスポンスの早いカスタマーサービス(55%)」と「スムーズな返品・返金対応(55%)」がトップに浮上。

データ保護は54%に下がり、3位に後退しました。

つまり、信頼はもはやセキュリティだけでは得られない時代です。データプライバシーは依然として重要ですが、今日の消費者はスムーズで、信頼できる体験も同様に重視しています。セキュリティ一辺倒では、信頼構築の本質を見落とすおそれがあります。 鍵は、一貫性・スピード・そして生活を楽にしてくれる体験です。

消費者が「信頼につながる」と感じる企業の5つの対応

2025年、信頼を築き・維持するための5つのポイント

信頼は、偶然に得られるものではありません。

透明性・一貫性・説明責任をもって積み重ねることでしか生まれないのです。顧客の目はこれまで以上に厳しくなっています。信頼は得るものではなく、築くもの。しかも、それには時間と意図的な努力が必要です。

まずは、信頼構築に欠かせない5つの基本を押さえましょう。

Female doctor wearing a white coat and stethoscope, talking on the phone while using a laptop.
  • 3. データの使い方を明確に伝える

    顧客データの収集、保管、活用方法を明確に伝えることで、AI活用への理解と信頼を高めます。

  • 4. 顧客対応を優先する

    迅速で誠実なサポートを提供することが、ブランドへの信頼を築くもっとも基本的で効果的な手段のひとつです。

  • 5. 一貫したブランド体験を提供する

    チャネルや部門を問わず一貫した体験を届けることで、どの接点でも顧客が安心して企業と関わることができます。

  • 信頼は、言葉より行動で証明される

    信頼はマーケティングメッセージで築けるものではありません。 日々の体験で「約束を守る姿勢」を示すことが重要です。

  • ブランドメッセージングを活用する

    SMSやメッセージアプリを通じてのブランドメッセージングで、「本物の企業から届いている」と一目でわかる情報設計が、信頼を高めます。

調査データ

「企業が自分のデータを適切に扱っていると信頼できるか」についての消費者の回答

企業が2025年に直面している、顧客エンゲージメントに関する最も深刻な課題

消費者が「信頼につながる」と感じる企業の対応

消費者: 企業は、顧客データを活用する際に顧客の利益を優先していると思いますか?

事例紹介

EndowusがTwilio Verifyを使用してセキュリティを強化し、クライアントの信頼を構築

EndowusはTwilio Verifyを使用してデジタルエコシステムを保護しました。ログイン時およびトランザクション中のユーザー認証にはSMSワンタイムパスワード(OTP)を使用し、海外でプラットフォームを使用しているクライアント向けにはWhatsAppを使用しました。 

96%

全体的な検証コンバージョン率

98%

WhatsAppでの検証コンバージョン率

1%

Verify FraudGuardを使用したSMS不正検出の誤検出