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顧客データプラットフォーム(CDP)とデータ管理プラットフォーム(DMP)の違い

CDPとDMPの主な違いを確認して、それぞれのビジネスに適しているいのはどちらかを知る

Discover key differences between CDPs and DMPs to learn which one is right for your business.

はじめに

顧客データプラットフォーム(CDP)とデータ管理プラットフォーム(DMP)は密接に関連していますが、そのいくつかの重要な違いによって相互に区別されます。この記事では、2つのデータプラットフォームの違いについて説明し、ビジネスに適しているプラットフォームを選択する際に必要になるすべての情報を共有します。

CDPとは?

顧客データプラットフォーム(CDP)は、すべてのユーザータッチポイントから得られたデータを組み合わせて、一元化された単一の顧客データベースを作成します。匿名データのみを保存するDMPとは異なり、CDPは個人識別情報(PII)を保存し、個人の見込み客または顧客に直接関連付けることができます。

CDPでは、このデータを使用することにより、ユーザー向けのパーソナライズされたマーケティングキャンペーンを作成する際に企業が使用できる統合された顧客プロファイルを構築できます。お客様とブランドとのやり取りをより深く理解しようとしている企業にとって、CDPはテクノロジースタックの構成要素となる非常に高価値のツールです。

DMPとは?

一方、データ管理プラットフォームは、さまざまなソースから個人を特定できない情報を収集、編成し、有効化します。これはデータ主導型マーケティングのバックボーンです。これにより企業は固有の顧客インサイトを引き出すために、複雑なデータセットを管理し、分析することができます。

DMPはファーストパーティ、セカンドパーティ、サードパーティのデータを収集できますが、収集されたデータはすべて匿名化されます。企業は匿名化されたこのデータを使用してオーディエンスを構築し、類似オーディエンスを作成して広告のターゲットを絞り込むことができます。

Facebookは、DMPの最もよく知られた例の1つです。ソーシャルネットワーキング会社は、ユーザーからデータを収集し匿名化した上で広告主に販売しています。広告主は、そのデータを利用したターゲティング広告によりFacebookユーザーを絞り込みます。

 

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CDPとDMPの主な違いは何ですか?

この2つのプラットフォームの違いがまだはっきりしませんか?ここでは、CDPとCMPの違いがどこに表れるかを詳しく説明します。

1.ユースケース

CDPとDMPはどちらもデータを保存しますが、主な用途はかなり異なります。すでに述べたように、DMPで収集できるのは、企業が購入して広告ターゲティングを絞り込むために使用できる匿名データのみです。

一方、CDPは、一意のユーザーに関連付けられる顧客データを保存します。CDPを使用することにより、企業は次のことを行えます。

  • 一元的な1つの顧客ビューを確立する

  • カスタムオーディエンスを構築する

  • カスタマイズされたキャンペーンを大規模に作成する

  • データ主導の製品決定を行う

  • コンプライアンス規制とプライバシー規制を合理化する

  • 実験を加速させる

  • サイトの会話を測定し、改善する
  • その他多くのこと

DMPと同様に、広告目的でデータを収集し連携させることは、マーケティングチームにとってのCDPの主な使用例の1つですが、企業がさらに多くのことを達成することにも役立ちます。

2.データの種類

CDPはPIIとPII以外の両方を保存しますが、DMPは匿名データのみを保存します。つまり、企業はDMPを最大限に活用するためにサードパーティのデータを購入する必要があります。購入したこのデータを使用することにより、企業は顧客がその独自のプロパティ外で行っていることをより深く理解できるようになります。これにより、マーケティングチームは、より大きいオーディエンスにリーチするための類似オーディエンスを構築できます。

一方、CDPでは、企業が収集した顧客データと、信頼できるサードパーティのソースによって収集されたデータを組み合わせることができます。これらの情報をすべて1か所にまとめることにより、企業は総合的な顧客ビューを構築し、広告ターゲティングの改善、リアルタイムマーケティングキャンペーンの構築、製品機能やメッセージのパーソナライズなどに活用できます。

3.データ保持期間

CDPは顧客データを長期間保存します。そのため、企業は統一された顧客プロファイルを継続的に使用し、パーソナライゼーションの取り組みとマーケティングキャンペーンを推進できます。

一方、DMPは短期間(通常は約90日間)のみデータを保存します。このような短い期間は、見込み顧客に関する最新かつ正確な情報を広告主に提供することを目的としています。

例えば、あるユーザーが冬用コートを探している場合は、検索し始めてから90日以内に購入を行う可能性があります。広告主は、すでにコンバートされているユーザーまたはそれ以上関心を示さなくなるユーザーを対象とした予算を無駄にしたくないため、通常は90日ごとにサードパーティCookieが削除されます。

 

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どのようなときにCDPまたはDMPを使用する必要がありますか?

CDP、DMPまたはその両方を使用するタイミングと場所を決定することにより、迅速かつシンプルなプロセスが実現します。ビジネスに最適なプラットフォームを決定する前に、次の点を考慮する必要があります。

1.プラットフォーム間の違いを把握する

CDP、DMP、またはその両方が会社に最適かどうかを判断する前に、これらのプラットフォームとは何か、またどのように異なるかを理解しておく必要があります。参考のために、プラットフォームの主要なファクトと相違点を以下にまとめました。

CDP:すべての顧客タッチポイントから得られたデータを統合し、顧客の単一ビューを作成するプラットフォーム。

  • 収集されるデータの種類: PIIデータとPII以外のデータの両方に加えて、ファーストパーティデータ、セカンドパーティデータ、サードパーティデータを保存できます。
  • データ保持期間: 長期にわたって保持するとともにコンプライアンス要件を満たします。
  • 顧客ビュー: 顧客の単一ビューを提供します。
  • 対象ユーザー: エンジニア、製品チーム、マーケティング担当者、広告主。

CMP: 匿名のユーザーデータを収集、整理、有効化し、マーケティング担当者や広告主が広告のターゲットを絞り込めるようにするプラットフォーム。

  • 収集されるデータの種類: 匿名化されたPII以外のデータのみを保存します。サードパーティデータを収集し有効化できることで最もよく知られています。
  • データ保持期間: 通常は90日です。
  • 顧客ビュー: 顧客の単一ビューを提供しません。
  • ターゲットユーザー: 広告主とマーケティング担当者。

2.それぞれのプラットフォームが目標達成にどのように役立つかを判断する

消費者はこれまでにないほどデバイスとチャネル間の切り替えを行っており、企業はそれぞれのタッチポイントを通じてエンゲージするようになっています。CDPとDMPは、これらの異なるツールを接続するだけでなく、ツール間のデータフローをオーケストレーションします。その結果、顧客プロファイルとオーディエンスリストには、顧客関係管理(CRM)、カスタマーサポートシステム、広告プラットフォームなどのソースからのデータが自動的に追加され、リアルタイムの行動が反映されます。このデータをパーソナライゼーションに活用する企業には成功がもたらされます。

3.データの使用方法を把握する

CDPとDMPは、マーケティング担当者がさまざまな目標を達成するのに役立つ複合的なソフトウェアです。長期的な顧客関係に投資し、既存のユーザーとの関係を構築することを検討している場合は、CDPが最適です。企業が成長モードにあり、新しいオーディエンスを開拓したいと考えている場合は、DMPを使用して新しい見込み顧客を発見しリーチできます。

お客様に適したプラットフォームを判断する前に、データプラットフォームから何を得たいのかを検討してください。これはあなたの決定を導くことに役立つ可能性があります。

 

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4.これらのプラットフォームを使用するリソースがあるかどうかを判断する

CDPとDMPは、顧客データに基づいて機能する強力なプラットフォームです。このため、これらのプラットフォームをセットアップするには、時間と労力が少し必要になる場合があります。

CDPを最大限に活用するには、すべてのクロスチャネルのファーストパーティ、セカンドパーティ、サードパーティのデータを組み合わせて統合する必要があります。CDP自体がこのデータ統合を処理します。これは、個別のデータベースから情報と識別子を組み合わせ、チームがキャンペーンを推進するために使用できる1つの統一された顧客ビューを作成することによって行われます。

DMPの場合、実装のほとんどに、タグ付け、行動のカテゴリー化、ルールの作成、オーディエンスの構築が含まれます。これにより、ユーザーのジャーニーを確実に追跡し、顧客の行動、地理的、人口統計データに関する詳細情報を時間の経過とともに収集できます。トラッキングタグを適切にインストールするには、エンジニアリングチームのサポートが必要な場合があります。データからインサイトを引き出すときに支援が必要になることを考慮し、身近にアナリティクスチームを確保しておくこともできます。

より良い組み合わせ: DMPとともにCDPを使用する

CDPとDMPは連携できますが、通常、企業はそれらを2つの異なる目的に使用します。CDPは、PII顧客データを長期間保存するため、長期的な顧客エンゲージメントと関係構築に最適です。これにより、顧客データの精度と信頼性が長期にわたって向上するため、企業はこのデータを使用し、パーソナライズされたコンテンツとキャンペーンを既知の顧客に送信できます。

一方、DMPは短期的にリードとコンバージョンを促進する必要がある企業に適しています。これにより、より大きいオーディエンスにリーチし、ターゲットを絞った広告やマーケティングキャンペーンを、ブランドと取引する可能性が高い個人に提供できます。

CDPの種類によっては、プラットフォームを組み合わせる機会もあります。たとえば、DMPデータをリアルタイムで使用して匿名の訪問者とのやり取りをパーソナライズし、企業が信頼を確立して維持できるようにします。もちろん、CDPとDMPを接続し、2つのプラットフォーム間でデータを共有できます。これにより、企業はファーストパーティデータとサードパーティデータの両方からメリットを得ることができます。DMPを使用して新しいリードを推進し、CDPを介して既知の顧客と接続してエンゲージすることができます。

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CDPは、顧客データの保護、プライバシー、分析とインサイト、編成と管理を支援できるように構築されています。つまり、最大の強みは、企業が顧客データの未開拓の潜在的な可能性を活用できるよう支援することです。

CDPを使用することにより、企業は顧客第一の体験を構築し、適切なタイミングで適材適所に送信できます。企業が1回限りの購入者を生涯の顧客に変えられるようにする強力なデータ基盤と言えます。