トレンド その4

リアルタイムでの対応こそ、消費者とのつながりを維持する秘訣

背景

これまで、エンゲージメントを促進するチャネル戦略の重要性と、ブランドコミュニケーションによる信頼構築について説明してきました。次に、対応スピードについて説明します。

遅い対応は、世界中の消費者の65%にフラストレーションや不満を与え、72%は企業が自分の時間を無駄にしていると感じています。裏を返せば、素早い応答は顧客の不満を解消し、他社への乗り換えを防ぐ鍵です。 

コミュニケーションチャネルは、FAQやヘルプ記事の代替手段を提供するだけでなく、顧客との有意義な対話を生み出す機会を与えているのです。しかし、このようなチャネルを提供するだけでは不十分です。顧客満足と信頼を維持するためには、提供するチャネルで素早い応答を保証する必要があります。 

86%の消費者は、リアルタイムで企業とやり取りできることで購入意欲が高まると回答しています。

41%の消費者だけが企業に対して、期待する対応スピードに「頻繁に」または「常に」応えていると感じています。

勝負の1時間

最大のエンゲージメントを生む理想の対応スピードの見極め

では、消費者はどれくらい早くブランドからの対応を期待しているのでしょうか?消費者の半数以上(51%)は「1時間以内」を望んでいます。迅速な対応はビジネスに大きな影響を与えます。

実際、スピーディーな対応をした企業とのやり取りを経験した消費者の40%が再購入したと回答し、25%はその迅速な対応が初回購入に寄与したと回答しています。

素早い対応は顧客との信頼とロイヤルティを構築するだけでなく、顧客重視の信頼できる企業というポジショニングを確立することもできます。選択肢が豊富な現代では、迅速な対応が顧客の獲得と維持の鍵です。実際、46%の消費者が、過去1年で応答が遅いブランドを利用しなくなったと答えており、スピードの重要性を示しています。

消費者が期待する対応スピード

消費者が企業とのコミュニケーションにおいて時間が無駄にされていると感じる主な理由

61%の消費者は、対応時間が短いと企業に対する信頼が高まると回答しています。

迅速な対応が求められる時に対応時間を短縮する方法

顧客が「時間を無駄にされた」と感じる理由には、長い待ち時間、同じ情報を繰り返す必要があること、そして購入や問題解決に必要な情報が得られないことが挙げられます。

幸いにも、企業が顧客により良いサービスを提供し、オペレーターが対応を迅速化するために採用できる戦略がいくつかあります。

コールディフレクションは、顧客がオペレーター(有人)と話す前にセルフサービスやオンライン情報源を案内するスマートな方法です。これにより、顧客は自分で回答をすばやく見つけ、待ち時間を短縮し、オペレーターはより複雑な問題に集中できるようになります。さらに、費用対効果が高く、24時間365日利用できます。

問い合わせをSMSまたはメールに転送することで、1人のオペレーターが複数の会話を処理できるため、効率が向上します。WhatsAppやリッチコミュニケーションサービス(RCS)*などのアプリにクイックリプライボタンを追加することで、顧客の返信が容易になり、エンゲージメントが向上し、サポートが迅速化されます。

*2025年にTwilioで利用可能

サイロ化されたデータは、オペレーターを混乱させ、顧客の不満につながります。代わりに、データを一元管理化することで、オペレーターは、顧客の対話履歴、問題、行動を完全に把握できるようになります。これにより、顧客が説明を繰り返す必要がなくなり、オペレーターはより効率的に問題に対処して解決できます。 

チャットボットを利用すると、オペレーターに電話をかけたり待機したりする必要がなく、基本的な質問に対する回答をすばやく見つけられます。即時対応により、顧客体験を向上させると同時に、人間の担当者がより複雑な問題に集中できる環境を作ります。また、24時間365日稼働するため、顧客への常時サポートが可能です。

AIは、顧客との対話中にリアルタイムの支援を提供し、迅速な対応を可能にするため、どんな担当者をもスーパーオペレーターへと変身させます。Twilioのオペレーターコパイロットは、オペレーターに、過去の対話の履歴、最近のWebまたはモバイルアクティビティ、予測される生LTVとチャーン傾向に関するインサイトなど、包括的な顧客の概要を提供します。これにより、迅速かつ効果的な問題解決が可能となり、高品質なサービスを実現します。

さらに、コール後の要約、処理コード、およびセンチメント分析が自動化されているため、オペレーターはすぐに次のコールやチャットへの対応を開始できます。