Google Cloud CCAIとTwilio Flex連携によるサービス体験の差別化
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シームレスな購買体験とサポート体験に対する顧客の期待は進化し続けていますが、ビジネスリーダーはコストを削減し、より少ない人数でより多くのことを行うことを求められています。
このような環境において、差別化されたコンタクトセンター体験を実現するためには、パーソナライゼーション、オムニチャネルの顧客体験、オペレーター体験の簡素化に焦点を当てる必要があります。
これらの注力分野は、4つの重要な機会に関連付けることができます。
- 会話型バーチャルエージェントによる顧客セルフサービス率の向上と、デジタルチャネルによる業務の生産性向上でコストを削減する。
- チャネル横断で一貫性のある自動化されたユーザー体験を展開し、顧客の満足度を高め、オペレーターが効率的・効果的にお客様対応できるようにする。
- ファーストパーティーデータを利用して顧客との対話をパーソナライズ、顧客維持とリピート購入を促進し、顧客との関係を継続的に構築する。
- 需要の絶え間ない変化のなか、ソリューションを主要ツールとして活用、必要に応じた見直しを行い、顧客体験とビジネス価値を最適化する。
こうした機会に対応することは、スイッチングコストの低さ、デジタル競争の激化、そして56%の顧客が「悪い体験をしたら購入をやめる」と回答している今日、かつてないほど重要となっています。
あらゆるインタラクションに対して人間らしく応対することを忘れずに、一方でデジタルエンゲージメント戦略へ投資することは、こうした期待に応えるために不可欠であり、企業が競合他社と差別化し、トップラインの収益を平均70%成長させるのに役立つことが実証されています。
Google Cloud Contact Center AIやDialogflow CXをTwilioソリューション(Twilio Voice、Twilio Flex)と連携し導入することで、バーチャルエージェント、インテリジェントな自動化、プログラマビリティを提供し、体験を差別化して主要なビジネス目標を達成し、ダイナミックなデジタル環境とともに進化するために必要なものを提供します。
コンタクトセンターは、有人オペレータのみならずバーチャルエージェントと顧客との対話をすべて人間らしくすることができ、同時にオペレータとの対話につながる率を低減化、平均処理時間を短縮し、顧客満足度を向上させることが可能です。
パーソナライズされた会話型バーチャルエージェントでセルフサービスを改善する
専門家である人間がすべての顧客問い合わせに対応できれば素晴らしいことですが、この方法はコストがかかり、拡張も困難です。パーソナライズされた会話型バーチャルエージェントを導入することで、顧客に貴重な最初のコンタクトポイントを提供、一般的な問題を解決し、オペレータとの対話につながる率を低減化できます。
パーソナライズされたバーチャルエージェントはIVRやデジタルチャネル上に展開可能で、ファーストパーティーデータを使用することで顧客に関する総合的な視点を提供することができ、さらに顧客との対話を人間らしくすることが可能となります。顧客との過去の対話を理解することで、バーチャルエージェントは、解決までの時間を短縮するように顧客経験をカスタマイズすることができます。
本日SIGNALイベントにおいてTwilioは、Google CloudのDialogflow CXとTwilio Voiceの統合に関するパブリックベータ版リリースを発表しました。この統合により、複雑性の低いセルフサービスのユースケースを最大80%ほど自動化できるインテリジェントIVRを簡単に導入でき、Twilio Flexや既存の他社コンタクトセンターソリューションと簡単に統合することができます。
国際的な住宅修理・改善業者であるHomeServe社は、Google Cloud Contact Center AIとTwilio Flexとの統合においてバーチャルエージェント機能を使用することで、顧客問い合わせの85%を解決することができました。Sabio社(英国に本拠を置く弊社のパートナー様)とのコラボレーションにより、顧客問い合わせの意図を分析し、一般的な問題に対する対処方法についてトレーニングされたバーチャルエージェントのワークフローを展開することで、上記の成果が得られています。
もちろん、通話中に顧客感情が変化した場合や、有人オペレータの介入が必要な複雑な問題である場合は、バーチャルエージェントが対話の転送を行い、適切な部門へ対処を任せることが可能です。
顧客とサポート部門との自動化された体験をエンドツーエンドで展開するために、コンタクトセンターはSabioが提供するTwilio Flex用コネクタを使用し、Google Cloud Contact Center AIおよびDialogflow CXを統合することができます。
顧客との関係構築を支援するオペレータ体験の自動化
オムニチャネル志向の顧客体験を展開するとき、オペレータ体験を簡素化することも重要です。バラバラのソフトウェアソリューションでは、オペレータが多数のタブを切り替えることになり、結果として顧客の問題を迅速に解決することが難しく、人材の定着にも悪影響が出ます。
定型的な応答雛形や問題解決のための関連情報を単一ユーザーインターフェース上に提示してあげることで、オペレータの生産性を最大化、平均処理時間を短縮し、オペレータに代表される従業員の権限を強化することにつながります。Google Cloud Contact Center AIのAgent Assist機能はTwilio Flexにシームレスに統合され、複雑な問題を迅速に解決するために必要なすべての情報をオペレータに提供し、チャネル横断で顧客との対話を効果的に管理する支援ツールの役割を果たします。
Agent Assist機能の側方支援がリアルタイムに提供されることで、どのようなエスカレーションにも飛び込むことができ、どのような課題も克服することができるので、顧客対応チームは一躍ヒーローとなります。Twilio Flexのフルカスタマイズ性を活用することで、Agent Assist機能を利用するオペレータ体験を最適化することも可能です。このように差別化された体験は、オペレータや顧客の満足度向上につながります。
有人オペレータとバーチャルエージェントを含むコンタクトセンターの稼働と拡張性を最適化するには、リアルタイムの分析が必要です。
最適化を特定し、必要に応じて体験を進化させる
コンタクトセンターで発生するすべての対話から、顧客の共通の意図や感情に関する貴重なインサイトが得られます。対話をリアルタイムで分析することで、それらインサイトが貴重なファーストパーティーデータとして、Twilio Segment(顧客データプラットフォーム)で収集・集約・クレンジング・対処され、パーソナライゼーションを向上させることができます。
Google Cloud CCAIのInsights機能は、すべての対話の分析を自動化し、応対品質保証、パフォーマンス、コンプライアンスを簡素化します。このインサイトを利用して、バーチャルエージェントの新たなワークフロー、Agent Assist機能の改善、Twilio FlexやTwilio Voice側で必要な修正を簡単に特定することができます。
ソリューションやワークフローを頻繁に変更することは、顧客体験の差別化を維持するために非常に重要です。そのためには、顧客のニーズだけでなく、オペレータからのフィードバックにも常に注目する必要があります。
Twilio Flex(+そのフルカスタマイズ性)とGoogle Cloud Contact Center AIは、主要なビジネス目標を推進するために必要なインテリジェンスと柔軟性をチームに提供します。
あらゆるチャネルで会話型バーチャルエージェントを導入し、オペレータとの対話につながる率を低減化しましょう。その際、Twilio Segmentを活用してお客様との対話をパーソナライズできることと思います。またAgent Assist機能でオペレータを側方支援し、対応時間の短縮を図りましょう。さらにInsights機能を活用して、センター運用の最適化が可能な分野を探ることができるのではないかと思います。
コンタクトセンター体験のオーナーシップを持ち、すべての顧客との対話において価値提供を追求し、ビジネスの収益を向上させましょう。Twilio VoiceまたはTwilio FlexとGoogle Cloud Contact Center AIの統合の詳細については、当社の日本語ブログも併せてご確認ください。
Bader Hamdanは、Twilioのプラットフォームパートナーシップ部門のグローバル部門長です。彼と彼の部門は、エコシステムと共同して、相互の顧客のジャーニーに沿った製品統合やマーケットプレイスオファーを提供し、楽しい顧客エンゲージメントを作りながら、#TwilioPartners(Twilioのパートナー)戦略と市場参入(GTM)を継続的に策定しています。Baderは、エコシステム・パートナーシップの事業開発担当およびGTMエグゼクティブとして、国際的なB2Bの専門知識を持ち、CiscoやGoogleでパートナー部門のリーダーとしての役割を担ってきました。