Twilio Programmable VoiceとGoogle Dialogflow ES版のワンクリック連携が可能に

April 24, 2021
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レビュー担当者

Twilio <VirtualAgent> One-click Integration with Google Dialogflow ES

この記事は英語版ブログ記事の抄訳です。

弊社はこのたび、Twilio <VirtualAgent>のパブリックベータ版を発表いたしました。これはTwilio Programmable VoiceとGoogle Dialogflow Essentials (ES)のTwilioネイティブ連携です。対話型AI機能をTwilio Programmable Voiceコールにシームレスに取り入れ、Twilio IVRから多機能で自然な通話ができるようになります。Google Dialogflow ES管理画面においてワンクリック型テレフォニー連携の提供パートナーとしてTwilioを選択すると、Twilioから払い出された電話番号とDialogflow ESエージェントとをクリック操作一回で関連付け、対話型IVRを実現できます。

TwilioがDialogflow ESとTwilio <VirtualAgent>をワンクリック連携する以前は、企業が対話型IVRを構築するために、Twilio Media Streamsを利用して未加工の状態の通話音声にアクセスし、自社でホストするアプリケーションにストリーミングしていました。このデータがさらにDialogflowにストリーミングされ、自然言語理解における“意図”(Intent)が検出されます。Dialogflowは意図を含むメタデータに加えてアプリケーションへオーディオストリームを返し、このストリームはTwilioにストリーミングされ、最終的には通話の発信者に届きます。この連携の構築と維持に貴重な開発時間を費やす必要があっただけでなく、それぞれ2社の請求書を処理し、また、2社のサポートチームとやり取りを行うという手間が掛かっていました。

<VirtualAgent>により、音声通話で対話型IVRサービスを提供するための複雑な要件、労力、リソースが軽減されます。コードを書かずにTwilioとDialogflow ESを連携できるようになっていますが、連携のカスタマイズと設定にコードを使用することもできます。数回のクリック操作で、Twilioの電話番号で着信に応答し、通話者をそのまま指定のDialogflow ESエージェントに接続できます。TwilioとDialogflowの両方を使用しても、受け取る請求書はTwilioからの1通のみです。またこの連携に必要なサポートはすべてTwilioが提供します。

IVRに対話を取り入れる

IVR(音声自動応答)は企業の顔であり、優れたサポートを提供するには、的確な対応が重要です。対話型IVRは、顧客に対して豊かでわかりやすい対話を提供します。近年、顧客は、バーチャルアシスタントとの会話に慣れており、IVRのオプションを何段階も経るという面倒な手続きを踏まなくても、自然な会話を通じて自分の目的が理解され、必要な情報にたどりつき、問題が解決されることを望んでいます。<VirtualAgent>はIVRに知性を与え、その結果、顧客満足度が向上し、不満を持つ顧客をオペレーターにつなぐコストが削減されます。

<VirtualAgent>では、AIをIVRに導入する点だけでなく、発信者の通話体験をさまざま工夫できる点においても、利用しやすい連携です。発信者が辿り得る音声応答の経路をイメージしてIVRツリーを設計するのではなく、発信者の通話理由を理解・分類し、その理由に応じた対応意図や対応スキームを設計する形となります。この連携により、IVRでの定型的な顧客対応が自動化され、既存のコンタクトセンターやテレフォニーインフラと容易に連携できます。Twilioではすでに、IVRを快適に使用するための強力な機能(音声認識、安全な決済、テキスト読み上げ)を提供しており、この新機能によりさらに利便性が向上します。

Twilio Programmable VoiceとDialogflow ESのネイティブ連携を試してみる

Dialogflowのワンクリック型テレフォニー連携をTwilioモードで利用し、Twilioから払い出された電話番号をDialogflow ESエージェントと関連付けることができます。はじめに、Dialogflow ESエージェントをセットアップし、[One-click telephony](ワンクリックテレフォニー)でTwilioを選択します。

Dialogflow ES screen shot with Twilio VirtualAgent-JP

設定に関する詳細情報を数点ほど、そして対象の電話番号を指定すると、連携設定が完了します。発信者は、これらの電話番号で通話できるようになり、指定のDialogflowエージェントに接続されます。

gdf-es-jp

連携をさらにカスタマイズし、コールフローの修正、対応言語や感情解析の設定編集などが可能です。詳細はこちらをご確認ください。

<VirtualAgent>

<VirtualAgent>は、TwilioとDialogflow ESの連携をサポートするTwiMLです。設定されたTwilio電話番号に着信があると、<VirtualAgent>がバックグラウンドで処理を実行し、通話をDialogflowに接続します。以下はその内容の例です。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Response>
  <Connect>
    <VirtualAgent connectorName="dialogflow-project" />
  </Connect>
</Response>

TwiMLタグの<VirtualAgent>およびStudioウィジェット“Connect Virtual Agent”の使用方法については、リンク先のドキュメント内容をご確認ください。

Programmable Voiceコールフローを修正する

Twilioの利点は、通話者を直接Dialogflow ESエージェントに接続し、Dialogflowとの対話が終了したときに通話を切断するだけではありません。TwiMLタグ(名詞句)の<VirtualAgent> やStudioウィジェット“Connect Virtual Agent”を使用した連携にあたっては、Dialogflowとの対話の前後に追加のステップを配置できます。例えば、Dialogflowエージェントとの対話が終了したときに発信者をオペレーター(有人)に接続することができます。また、発信者にあらかじめ言語を選択してもらい、その言語を使用するDialogflow ESエージェントに転送することができます。Programmable VoiceコールフローのカスタマイズにTwiMLを使用する方法、またはStudioウィジェットを使用する方法については、リンク先のドキュメント内容をご確認ください。

Connect Virtual Agent Studio Widget-JP

料金

<VirtualAgent>の料金は、Dialogflowとの接続セッション時間を15秒単位のブロックでカウントし*、ブロック数に単価($0.06)を適用する料金体系です。この料金にはTwilioとDialogflow、両クラウドサービスの連携使用料金が含まれ、Dialogflowから追加の請求はありません。Dialogflow ESセッションの単価0.06ドルに加え、通話中に使用された該当のProgrammable Voiceの分数と電話番号(維持)の料金がかかります。Programmable Voiceの料金はこちらをご確認ください。

* 15秒に満たない場合は、15秒単位で切り上げます。

お客様の成功が私たちの喜びです。

Lenoreはコンタクトセンター業界で20年以上マーケティングを経験してきました。現在TwilioのSenior Product Marketing Managerを務め、TwilioのコンタクトセンターソリューションFlexの導入推進に取り組んでいます。統合キャンペーン、イベント戦略、コンテンツマーケティング、お客様の声といった各種プログラムの設計・実施を担当しています。Twilio入社前は、コンタクトセンターやコラボレーション業界で複数のマーケティング、Go-To-Marketを担当していました。