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WhatsApp Business APIを使用する5つの理由
コミュニケーションプラットフォームにWhatsApp Businessメッセージングを組み込むことにより、いかに顧客体験を改善できるか説明します。
Pranav Deshpande、Product Marketing Manager、Messaging
WhatsApp Business APIを使用する5つの理由
現在ビジネス界ではWhatsAppメッセージングアプリへの関心が非常に高まっていますが、これにはもっともな理由があります。WhatsAppは、世界中で160億人の消費者により使用される人気のメッセージングアプリとして急激に成長しました。WhatsAppは、いつでも家族や友人とチャット、グループテキストの作成、写真やビデオの共有、ドキュメントの送受信、プライベートでセキュアな会話を迅速でシンプルにできる便利な方法です。さらに今では、WhatsApp Business APIの公開により、世界中の企業もこのAPIの使用を熱望しています。
これを使用しない手はありません。テキスト、チャット、投稿、ツイートから構成される今日のオムニチャネルの世界で消費者は、家族や友人と繋がる方法と同じ方法で企業とやり取りすることを希望するようになってきています。メッセージングアプリ(WhatsApp、LINE、Facebook Messengerなど)は、今日使用されている好まれるコミュニケーションチャネルとしてリードしていることがわかりました。実に、世界でも最も人気のあるメッセージングチャネルであるWhatsAppは、180を超えるロケールのユーザーに利用され、毎日600億件のメッセージを送信しています。
だからこそ、世界中の先進的な企業は、WhatsAppプラットフォームの可能性に期待しているのです。WhatsApp Business APIを使用することにより、開発者は、世界中のより多くの地域のより多くの人々にリーチし、より効果的な顧客エンゲージメントを実現できる新しいサービスを構築できます。
WhatsAppを使用することにより企業は、予約リマインダー、発送アラート、注文通知、製品デモビデオ、検証コード、搭乗券、双方向顧客アンケート、サポートメッセージなどを送信できます。これは即時に送信でき、より個人的で、より国際的に届けることのできるメッセージです。さらにエンドツーエンドの暗号化で保護されているため、WhatsAppは非常に信頼されています。これを正しく採用することにより、WhatsAppのメッセージングは業務上のコミュニケーションを完全に新しいレベルのエンゲージメントにできます。個人的でリアルタイムのB2Cの会話が、世界中で好まれるメッセージングアプリで配信されるのです。
WhatsApp Businessとは何か?そして皆が大騒ぎしている理由は?
簡単に言うと、WhatsApp Businessを使用することにより企業は、WhatsAppメッセージングプラットフォーム内で顧客に直接、安全でセキュアなメッセージを届けられます。SMSに勝る利点は、WhatsAppは直接1つの電話番号に結び付けられており、数字の羅列ではなく、ブランド化された事業者プロフィールを使用することです。このため、消費者は誰とチャットしているのか、誰からメッセージを受信しているのかを直ちに判断できます。さらにWhatsAppは、信頼できる配信情報を提供します。企業はメッセージが配信され、最終的にはそれが読まれたことを知ることができます。
さらに、ビジネスメッセージングを「会話的なコマース」に使用する傾向が高まっています。これは、営業やサポートのチームが、より情報に富み、コンテキストに沿うメッセージを使用して製品やカスタマーサービスの質問に回答できるようにするものです。これは最終的に新しいトランザクションを促進したり、現在の顧客の満足度を高めたりします。
WhatsAppは世界中で多くのスマートフォンに事前インストールされているため、ユーザーの採用は急増し、現在も成長し続けています。これはつまり、皆さんの企業の顧客は恐らくすでにこのアプリを使用しているということです。WhatsApp Businessで顧客と繋がるには、WhatsApp Businessプロフィールを設定し、それを貴社の番号と関連付けるだけです。企業は1つのみの電話番号と関連付けられるため(ショートコードの必要なし)、それをすべてのマーケティングプログラムに含め、さらに多くの顧客が貴社と直接繋がるようにできます。
本当にもう1つメッセージングアプリが必要か?
メールとSMSは、長きにわたり、企業が顧客と繋がる最も一般的な方法であり続けてきました。この2つは、それら自体効果的なチャネルです。しかし、オムニチャネルの世界では変化が起こっています。WhatsAppのようなメッセージングアプリは、顧客満足度により大きな影響を与える機能を備えています。企業は同時に、リーチを拡大し、配信性を向上し、サポート費用を管理し、コンバージョン率を高め、セキュリティを強化し、その他の重要なビジネスKPIを達成できます。
もちろん、SMS、MMS、RCS、LINE、Facebook Messenger、チャット、電話などの他のメッセージングチャネルはあらゆる企業コミュニケーション戦略において引き続き中心的役割を持ち、今後も残り続けるでしょう。しかしながら、ラテンアメリカ、アジア、アフリカ地域においては、WhatsAppは完全に優勢なアプリです。多くの企業が、世界中のより広域の顧客と繋がることができます。
WhatsApp Businessをメッセージング戦略の一部として採用することは、大変革をもたらし得ます。これは、競争力を保つために欠かせないツールです。顧客コミュニケーションでWhatsApp Businessを使用する5つの理由をまとめました。
1.優れたブランドコネクションを構築する。
顧客との間に強いブランドの繋がりを固めることは、ほとんどの企業にとっての究極的目標です。そしてWhatsAppがそれを実現します。企業に、閉じられたパーソナルな環境を提供し、そこで企業は顧客と一対一でコミュニケーションできるのです。WhatsAppでは、企業は「事業者プロフィール」と呼ばれるビジネスアイデンティティを作成し、ブランディングに活用することができます。事業者プロフィールを使用することにより、メールや電話の連絡先、ソーシャルメディアリンク、店舗の住所、WebサイトのURL、事業内容やセールなどの詳細を通知できます。顧客とのコミュニケーションにブランドの個性を表現することも可能です。また、WhatsAppはすべてのビジネスアカウントを認証するため、オプトインする顧客に対して正規アカウントであることを保証できます。
事業者プロフィールは必須であるため、WhatsAppのブランド用ビジネスアイデンティティは、メッセージを送る際にブランドの顔として親しみを伝え、ユーザーからの信頼とロイヤルティ向上に有効です。WhatsAppでは、画像、文書、動画、スライドなど、マルチメディアを使用してコミュニケーションできるため、ブランドの個性をコミュニケーションに反映することができます。シンプルなテキストとメールのみではないため、独自のブランディングが可能になり、顧客エンゲージメントをさらに深めることができます。IDCのワールドワイドテレコミュニケーションリサーチのグループVPであるCourtney Monroe氏は、この見解に同意し、WhatsAppが「顧客に優れた顧客体験をもたらすため、企業にとって強力なチャネルだ」と述べています。
2.顧客のいる場所に歩み寄る。
オフィスや自宅の電話が鳴るのを最後に耳にしたのはいつですか?最後に直接の手紙に返事をしたのはいつですか?これらのような従来のコミュニケーションチャネルは(より最近のSMSやメールも含め)、もうそれだけでは消費者の需要を満たしません。実際、それらは使用されなくなり、代わりにより便利なオムニチャネルソリューションが使用されています。成功を収める企業は、優れたカスタマーサービスを提供するには、顧客がいる場所に歩み寄り、顧客が希望するチャネルでカスタマーサービスを届ける必要があることを理解しています。実際に、Dimensions Dataの研究によると、10人のうち9人の消費者が企業とのコミュニケーションにメッセージングを使用することを希望しており、Nielsenによると56%の顧客が電話よりもメッセージによるカスタマーサービスとのやり取りを好みます。
SnapTravelは、すでにWhatsApp Businessを活用している先見性のある企業の1つです。同社は、顧客がさまざまなメッセージングチャネルで簡単にホテルを探して予約できるようにするニーズを理解し、最近サービスを拡大してWhatsAppを含めました。WhatsAppを使用することでSnapTravelは世界中に拡大でき、より多くの顧客が好きなメッセージングアプリを使用してSnapTravelにアクセスできる自由を得ました。
3.世界中とエンゲージする。
グローバルなビジネスを展開している企業は、この数字に注目してください。WhatsAppは2018年初頭の段階で、104のロケールにおいてナンバー1のメッセージングアプリです。スマートフォンでの普及率も最も高く、一部のロケールでは95%にも達しています。ユーザーは無料で使用できるため、WhatsAppは10年未満で、プライベートとビジネス上の会話において最も人気のあるアプリとなりました。南米、ヨーロッパ、アフリカ、アジアでは圧倒的な人気を誇ります。例外は中国で、ビジネスコミュニケーションにはWeChatがよく利用されています。これらの地域ではスマートフォンの普及が進んでいるため、商業トランザクションでもメッセージングアプリが好まれるチャネルとして利用が加速しています。世界展開を進めるのであれば、WhatsAppをコミュニケーションポートフォリオに含める必要があります。
シアトルを本拠地とする世界的な非営利保険団体、PATHがどのようにWhatsAppを使用しているかを検討してみましょう。PATHは、ザンビアで国立マラリア撲滅センターの支援に取り組んでおり、データ収集、調査、コミュニティエンゲージメントを実施しています。メッセージングを早期に採用したPATHは、成功を収めるためには、使い勝手がシンプルですでに医療従事者が使用しているチャネルを使用し、ザンビアの保健省が前線の医療プロバイダーと繋がることが必要だと認識しました。SMSの利用は非常に有望でした。そして地域のWhatsAppの使用が増加するにつれ、PATHはそれをビジネスアプリケーションとして使用し、データ提出の追跡、報告パターンの識別、メッセージターゲットの向上、より安全でプライベートな会話の確保を支援しています。
4.双方向の会話の支援。
WhatsAppでは、チャットは双方向です。企業と顧客が直接やり取りできます。実際の会話では、相手に、「はい」の意味で「Y」をテキストするように頼んだり、詳細を話し合うために電話するように頼んだりしません。今日の顧客は、ビジネスに連絡して一方的なメッセージに応答するのではなく、本物の会話をしたいと希望しています。このことは、規制上の問題、電話番号の品質、接続上の問題のために双方向のやり取りが不可能だった地域において特に該当します。WhatsAppは、高品質の信頼できる双方向メッセージングを世界中に配信する最初のアプリとして、この問題に対処しています。WhatsAppは、配送アラート、購入確認、カスタマーサポートなどの通知に優れたチャネルであるだけでなく、顧客により直接的な連絡方法を提供し、通常は物理的店舗や電話での会話で起こるような双方向の会話を可能にします。アプリはますます、製品やサービスを調べる、レビューや参考情報を確認する、支払いを済ませる、苦情を申し立てる、サービスコールを予約する(または再設定する)ことなどに使用されています。電話やメールはもちろん、ブランドのWebサイトにアクセスする必要もありません。最近は、このような会話は、メッセージングアプリの中で起こっています。
革新的なオンラインフードデリバリーサービスであるDeliverooは、12地域の35,000件のレストランと提携しています。同社は、優れたカスタマーサービスを提供するためにWhatsAppメッセージングを統合した最初のブランドの1つです。顧客が食事をする方法を変革するため、Deliverooは最良のフードデリバリーサービスを提供する必要があることも認識していました。これを実現するため、英国を拠点とする同社は、オムニチャネルアプローチを採用しました。顧客は、どのチャネルでも好きなチャネルで連絡できます。「現在では、WhatsAppで顧客に注文通知とステータスアップデートを送信でき、嬉しく思っています」Deliveroo CTOのMike Hudack氏は言います。
5.プライベートでセキュアにメッセージを送信する。
継続的な国内の規制への準拠やコンプライアンス問題は、常に難しいものです。WhatsAppの最も重要なメリットの1つは、エンドツーエンドの暗号化と、ユーザーのプライバシーを保護する厳格な努力です。WhatsAppユーザーが惹かれるのは当然です。顧客は、親しみがあると同時に、安全な方法で企業と繋がることを求めています。そして、企業にとってコンプライアンスとセキュリティを維持することは常に困難なことですが、この点でもWhatsAppは企業を保護しています。さらに、2要素認証(2FA)がアプリに組み込まれているため、メッセージを送信する宛先のユーザーが本人であることを確認できます。
世界的なリクルートメント会社であるHaysにとって、従業員のプライバシーは最も重要です。世界中の雇用側の会社と潜在的な候補者を繋げる際、機密の会話と情報を共有するために、セキュアで安全、プライベートなフォーラムを用意することが不可欠です。30以上の地域にオフィスを持つHaysは、WhatsApp Business APIを使用し、自動化されたジョブアラートアプリケーションを作成しました。このアプリケーションは、新しい求人をリアルタイムで適切な候補者に通知します。HaysのWhatsApp Businessアプリケーションにより、応募者は、独占的にいち早く求人情報を得ることができます。そして世界中の人事会社にとっては、今後WhatsAppの利用方法には限りない可能性があります。秘密裡の面接や極秘文書の受け渡しから、候補者のビデオの受信とレビューまで、すべてをプライベートでセキュアなアプリ内で実行できるのです。
“Twilioは、開発プロセスから複雑性を排除し、これらの企業がWhatsApp Business向けのTwilioのAPIを使用して簡単に稼動できるようにしました。”
WhatsApp Businessを統合する最も簡単でスマートな方法
ビジネスツールとしてのWhatsAppの発表は歴史的なものでした。その広範なリーチ、高いユーザーベースエンゲージメント、豊富なコミュニケーション機能により、WhatsAppは今日の市場において最も強力な顧客エンゲージメントチャネルになる可能性を持っています。これは特に、世界中に顧客を抱える企業に言えます。競争性を維持し、顧客と真に繋がりたいと希望する企業は、できるだけ早くWhatsApp Businessの使用を開始すべきです。注意事項:最高の可用性を確保するため、WhatsAppでは企業を徐々にオンボーディングしており、初期段階においては入念に調査され承認された、前に紹介したような企業のみを受け入れています。
貴社でWhatsAppの使用をご希望の場合には、TwilioではWhatsAppメッセージングアプリを設定し使用するための最もシンプルで最良の方法をご用意しています。現在WhatsAppは、本番環境に移行する新規申し込みの数を制限しているため、Twilio Sandbox for WhatsAppを使用し、展開が容易なTwilioのAPIでアプリケーションの構築とテストを開始することをお勧めします。本番環境に移る準備ができ次第、WhatsApp対応の専用のTwilioの番号を使用し、WhatsApp Businessプロフィールへのアクセスをリクエストできます。次に、Twilioは、貴社の代わりにWhatsAppで貴社のリクエストをレビューします。
まったく新しい方法で顧客と繋がる準備はいいですか?Twilioがお手伝いいたします。
詳細については、以下のリソースをお勧めします。
- WhatsApp向けTwilio API
- WhatsApp: そのためのAPIがあります
- WhatsApp Business Messaging API
- Deliveroo、Hays、PATHは、最初にTwilio API for WhatsAppを統合したブランドの数例
- カスタマーメッセージングガイド
- リッチコミュニケーションメッセージングとは?
ご不明な点は、お問い合わせください。
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