TwilioのIonic Security買収〜顧客エンゲージメントプラットフォームのさらなる信頼性向上

June 23, 2021
執筆者
Alex Lowe
Twilion
レビュー担当者

Ionic Security Hero JP

この記事は、プロダクト管理担当のAlex Loweが、こちら(英語)で執筆した記事を日本語化したものです。

TwilioによるIonic Securityの買収・統合を発表できることを大変嬉しく思います。

Twilioのビジョンは、世界をリードする顧客エンゲージメントプラットフォームを構築し、各国の開発者や企業の信頼を獲得することです。Twilioは信頼を第一に考える企業であり、セキュリティ、データ保護、コンプライアンスの分野をリードすることにより、このビジョンを達成したいと考えています。Ionic Securityは、データへのアクセスと機密保護の要件に応える先進のデータセキュリティプラットフォームです。今回の買収は、より強固なデータ信頼サービス開発のチャンスをもたらすでしょう。

この使命に向け、Ionic Securityを新たなTwilionのメンバーに迎えたことは大いなる喜びです。

Ionic Security:信頼を都度のトランザクション毎に確立

2011年設立のIonicは、大規模データセキュリティを簡素化するために、きめ細かなポリシーと暗号キー管理を一貫して採用してきました。Twilioと同じく、優れた開発者向けサービスを目指すIonicのプラットフォームは、高性能なクラウドベースのAPI、SDKとツールを備え、設計段階からプライバシーとセキュリティを考慮したアプリケーション開発を支えてきました。

Ionicのプラットフォームは、大企業、金融機関、政府機関などの高いセキュリティが求められる環境において、機密データ保護に使用されています。ゼロトラストのアーキテクチャにおいては、信頼は獲得していくものであり、仮定や推論に頼ることはできません。Ionicでは、すべてのリクエストのコンテキストをポリシーと照合し、完全な信頼を確立した後に、アクセスを許可します。Twilioでは、Ionicが開発した規模拡張性、耐障害性、適合証明の手法に注目してきました。

Ionicのプラットフォーム設計では、アクセスロジックはアプリケーションコードから分離されています。そのため、複数システムにわたる調整やポリシー適用の変更も、開発者によるコード変更は最小限で済み、場合により不要になります。ポリシー要件の変更の際も、機密データが置かれている場所やアクセス先にかかわらず、迅速な変更実装が可能です。

Ionicが持つ、セキュリティとコンプライアンス要件への対応力

Ionicは、これからはTwilioのコミュニケーションサービスのひとつとして、付加価値を生み出していきます。(単独のプラットフォームではなくなります。) TwilioはIonicのテクノロジーを統合し、セキュリティインフラストラクチャの自由度と精度を高め、皆様によりご活用いただけるよう努めてまいります。

Ionicの買収は、Twilioのデータセキュリティ機能と能力の発展を、特に、新しい厳格なグローバルデータコンプライアンス指針への適合について加速させるでしょう。データ保護に関する新しい政府規制と、業界や地域ごとの規制の遵守にあたり、エンタープライズ企業には高度な適応力と管理性能が求められます。特に規制産業では必須と言えます。

力を合わせ顧客サービスを向上

IonicとTwilioはともに開発者のアイデアを大切にする企業です。Ionicを新たなメンバーとして迎え入れることにより、今後も優れたデータセキュリティとプライバシー機能を、世界中のお客様に提供できるものと確信しています。

TwilioとIonicが力を合わせ、これまで以上に優れたサービスを提供してまいります。

この記事を執筆したAlex Loweは、Twilioのプロダクト管理のグローバル責任者として、世界各地域の市場向けにコミュニケーション&エンゲージメント製品を展開してきました。Ionicとの提携が、データセキュリティ、プライバシー、コンプライアンス機能の強化、世界中のユーザーによるアプリケーション開発促進につながることに大きな期待を寄せています。