SMS生誕30年を記念+今後の活躍に期待!
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感謝祭ウィークは毎年、小売店にとって大変な盛り上がりを見せることになっている時期です。一方2022年は、SMSが誕生してから30年目にあたることもあり、ブラックフライデーとサイバーマンデーが過ぎた後にいよいよ本番がやってきたとも言えます。
携帯電話そのものが誕生してからから20年後、史上初めてのSMSメッセージは、英国の22歳のソフトウェア開発者ニール・パップワース氏によって、「メリー・クリスマス」というシンプルな文言とともに送信されました。Motorola RazrのT9デバイスに始まり、お気に入りのスマートフォンのアプリ上での利用、あるいは本人確認、マーケティングメッセージ、そして営業上の会話における利用まで、最初のSMS送信から起こったイノベーションに畏敬の念を禁じ得ません(絵文字の話だけではありません😂)。
言うまでもなく、2010年にTwilio SMS APIを初めて発表したとき、この「とんでもなくシンプルな」方法で世界中にメッセージを送る技術について、何百万人もの開発者がその後に起こることになるイノベーションのレベルを予測することはできなかったでしょう。実際、Twilioのメッセージ配信プラットフォーム上では毎年1400億通以上のSMSが送信され、弊社の顧客エンゲージメントプラットフォームの拡張性と信頼性を実証しています。
次の30年を見据えたとき、この先何が起こるのかこれ以上ないほどの楽しみを感じます。以下に、SMSを中心とするメッセージ配信における2023年の主要トレンドを記載しました。ご参考になればと思います。
#1位:SMSマーケティングは世界を席巻し続けそう
Twilio Segmentのレポート「The Growth Report 2022」(英語、無料) によると、69%の企業がROIが証明されたチャネルに傾注していると回答しており、一方で顧客獲得からその維持とロイヤルティにますます重点を置くようになっています。また、Cookie(クッキー)のない未来はもう少し先ですが、Apple社のApp Tracking Transparency(ATT; アプリ利用のトラッキングに関する透明性のフレームワーク)はユーザー層に定着しており、マーケターの戦略に対する考え方に劇的に影響を及ぼしています。実際、世界中の何千もの企業の意思決定者と消費者を調査したレポート「2022 State of Customer Engagement Report」(日本語版あり、無料) によると、71%の企業が、クッキーのない世界では広告に関する費用対効果が低下し、キャンペーンの効果を測定する能力が低下すると予想しています。
2022年11月下旬のサイバーウィークでは、Eメール、SMS、WhatsAppなどのオウンドチャネルがいかに貴重であるかが明らかになりました。Eメールの量は500億を超え、Twilioの顧客エンゲージメントプラットフォーム上では約40億通(前年比24%増)のメッセージが配信されました。パーソナライゼーションとファーストパーティーデータを用いたターゲティングの革新により、これらのチャネルの利用率と効率は今後ますます高まるでしょう。
#2: 信頼がロイヤルな関係を築く
私たちの携帯電話には、最も重要な会話、写真、ビデオ、スクロールを促すコンテンツが保存されています。消費者のロック画面に通知が表示されるという特権は簡単に得られるものではなく、これが可能となるには常に信頼を維持することが必要です。メッセージが増え続ける中、消費者の好みを尊重し、オプトインとオプトアウトへの遵守を行い、システム連携によるメッセージ配信において正当な送信者からの配信であることを担保することが重要となっています。消費者の40%は、信頼を損ねるようなアクションを取るブランドについては配信を停止し、コミュニケーションを断ち、38%はその企業からの購入をやめると回答しています。
その信頼を維持するためには、デジタルコミュニケーションをパーソナライズして、消費者の視点に立った関係を構築することも必要です。パーソナライゼーションは2023年、「〇〇さん、いつもご利用いただきありがとうございます」という挨拶以上の意味を持つようになり、消費者の好みのチャネルでメッセージを配信し、ファーストパーティーデータに基づいて関連コンテンツを提供することがますます重要になります。その効果は明らかで、パーソナライズされた顧客エンゲージメントを展開するブランドとの間で消費者の購買意欲は平均して46%向上すると報告されています。
#3: MMSはコンバージョンにつながる体験を提供
過去数年間、多くの企業にとって重要な教訓は、消費者にノイズではなく関連性の高い情報を提供するということでした。調査によると、75%の消費者が過去24時間以内に企業からデジタルコミュニケーションを受け取ったと答えており、ロック画面上で消費者の目に留まる情報を提示することがより重要になってきています。つまり、よりタイムリーで、適切で、魅力的なコミュニケーションを提供することが鍵となるのです。SMSのリッチメディア対応版とも言えるMMSは、画像、ビデオ、長文のテキストメッセージ、連絡先カード、グループ会話を送信することができます。(日本語編集上の補足: MMSは現時点で国内では利用できません。)
テキストマーケティングや商品販売前の会話において、(業界によって有効性の高低はあると思いますが)魅力的なデジタルコミュニケーションを提供するという点でMMSは大きな役割を果たすものと予想されています。WhatsAppのようなメッセンジャーアプリが主流である地域では、その双方向性とリッチメディア対応によって、すでに高いエンゲージメント率を達成しています。消費者のベースはグローバルであり、メッセージチャネルに応じた期待を持っているため、コードを増やすことなく、チャネル間で一貫した体験を生み出す方法を検討することが重要です。
#4: 消費者は、必要な瞬間に会話を求めるように
ビジネスメッセージの多くは、重要な情報を消費者の手に届ける方法として始まりましたが、会話型メッセージというユースケースに進化する大きなうねりがあります。レポート「2022 Conversational Messaging trend report」(英語、無料) では、10カ国の約4,000人の消費者を対象に調査を行い、77%の消費者が製品やサービスを選ぶ際に会話型メッセージを使いたいと考えており、58%の消費者が画面上にそのような動線があるのであれば製品やサービスを購入する際にもメッセージチャネルを使用したいと考えていることがわかりました。
会話型の双方向メッセージはビジネスに新たな収益をもたらし、顧客と生涯にわたる関係を築き、小売店からウェブサイト、モバイルアプリに至るまで、分散した店頭で一貫した体験を生み出す可能性を持っています。
SMS生誕30年を祝して...
簡単ではありますが、2023年以降のメッセージングに関する主要トレンドをご紹介しました。今後30年間に起こるであろうイノベーションが待ち遠しいですし、そのためにも顧客エンゲージメントを革新する皆さんを支援し続けたいと思います。
最後にSMS生誕30年を記念して、SMSという技術、そして送信に使われた初期のデバイスに敬意を表して、ゲーム「Message Sent」を作りました。ぜひ遊んでみてください!