2022年ホリデーシーズンのEメール配信を数字から振り返る (Twilio SendGrid)

December 12, 2022
執筆者
レビュー担当者

TSGEmHolidaySeasonStatsJP

この記事はLen Shneyderこちらで公開した記事(英語)を日本語化したものです。

12月に入りイルミネーションが点灯し始めました。カフェでは数ヶ月前からパンプキンスパイスの話題で持ちきりです。それでは、ここで、Twilio SendGridがブラックフライデー(BF)とサイバーマンデー(CM)に地球上の1人あたり1通以上(赤ちゃんやご老人を含めて換算)のメールをBFとCMの各々で配信した、その舞台裏を振り返ってみましょう。

サイバーウィークを要約すると「🔥🎁⏰」ということになります。百聞は一見にしかずというなら、今年は炎の絵文字が圧倒的にEメールの中で「モノを言って」いました。すなわち、炎の絵文字を含む7億6900万通のメールが処理され、次にプレゼント、そして時計の絵文字を含むEメールが続きました。これら絵文字の心は、商戦はまさに今、今が買い時、セールは間もなく終了、といったところでしょうか。

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ホリデーウィークにおけるEメール配信の全体像

Twilio SendGridではブラックフライデーに88億通サイバーマンデーにはなんと89億通のメールを配信しました。(以下の赤青の棒グラフを参照。)2022年11月15日の時点で世界の人口は80億人に達したと推定されており、当社のプラットフォームがEメール配信という視点から、地球上のすべての人を巻き込む準備ができていて、実際に可能であることは理にかなっていると言えるでしょう。

11月21日から11月28日までのホリデーウィークには500億通以上のメールを配信しました。ブラックフライデーとサイバーマンデーの伸びを見ると、Twilio SendGridのEメール配信量は前年同期比で各々30%、26%の伸びを記録しています。当社のお客様がTwilio SendGridの能力に最も依存するピーク時には、1分あたり420万通のメールを配信していました。

Twilio SendGridは午後2時から午後3時(米国西海岸時間)の間に6億6400万通のEメールを配信しましたが、この時間帯はホリデーウィークにおいて最も「忙しい」時間となりました。Eメールが今後も重要かどうか、もしあなたが疑問に思っているとして、以下の棒グラフが物語っているようにEメールは今後も存在し続けるでしょう。

2021年に比べ、お客様の配信量は前年比10%~22%増と、非常に高い伸びを示しました。あるお客様はピーク時1分間に約62万通のメールを送信し、他のお客様も含めて見た場合、エンド・ツー・エンドの配信時間が約2秒、配信率が99%でした。実際、当社最大のメール顧客はブラックフライデーに28億通、サイバーマンデーに24億通のメールを送信し、前年比62%増となりました。

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当社では毎年、ホリデーウィークのEメールトラフィックのピークが前年比でどのように伸びているのか、詳しく振り返っています。今年も例外ではありません。11月は、月初から安定したペースで推移していき、ブラックフライデーに最初のトラフィックの急増を示し、その2,3日後に再び急増しました。(以下のカラフルなタイムライン型チャートを参照。)これが何を意味するかというと、想像しうるほとんどすべてのEメールユースケースに対して力を発揮し、急増するトラフィックに耐えられるプラットフォームが存在し、それがTwilio SendGridであるということだと思っています。

感謝祭というホリデーウィークの期間中やその直後のニュースは、「大幅な値引きやタイムセールでどれだけの買い物が行われたのか」という買い物に関する指標で埋め尽くされています。しかし、このようなセールや値引きを人々がどのようにして知ったのかについてはあまり語られません。答えは簡単で、その背後にはEメールが存在するのです。

実際に数字が物語っています。特に、パンデミックや厳しい経済状況、サプライチェーンの不足からまだ回復していない厳しい市場においては、Eメールが顧客エンゲージメントを促進し、実際の収益へとつなげているのです。

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Eメールエンゲージメント

Eメールを受信トレイに届けることは、ホリデーシーズンを成功に導くための最初のステップに過ぎません。送信者であれば、ESP(メールサービスプロバイダ)がどれだけ速くメールを配信できるかだけでなく、メールが受信された後に何が起こるかも考えているはずです。

受信トレイに届くのか?開封されるのか?開封され、クリックされるのか?

これらは、送信側が行うすべてのことを測定・最適化するのに役立つメトリックです。Apple社のメールプライバシー保護(MPP)の効果を差し引くと、Twilio SendGridは11月21日から11月28日にかけて46億回の開封を記録しました。(以下の青色ベースのタイムライン型チャートを参照。)2021年6月の発表以来、MPP機能の利用はこの15ヶ月間で増加しており、同時期にMPPによる開封は101億件、ユニーククリックは5億3400万件以上ありました。

なおここで指摘しておきたいのは、すべてのお客様が当社の開封・クリック追跡システムを利用している訳ではなく、お客様独自のシステムを利用することを希望される方もいらっしゃるということです。

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重要なのは、開封のパターンと送信のパターンが密接に一致していることです。(上記の棒ベースのタイムライン型チャートと、以下の線ベースのタイムライン型チャートを比較。)このことから分かるのは、受信トレイに届くメールに対して受信者は間をあけずにエンゲージしているということです。

さらに、受信者はホリデーウィークの1週間を通してメールに触れており、特定の日にだけ触れている訳ではありません。上記の開封チャートからは、サイバーマンデー後に大きく減少していることも分かります。ホリデーウィークはその1週間全体がまさに重要な意味を持ち、その1週間が終わると私たちは皆「通常運転のパターン」に戻ってしまうのです。

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同様に、時間別のユニーククリック数を見ると、11月28日午後3時(米国西海岸時間)にホリデーウィーク全体の1.14%のクリックが観測されました。(以下のタイムライン型チャートを参照。)

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メールの件名

このホリデーウィークでは、件名の90%が1~15ワードで、4ワードの件名は10.62%の開封率 を記録しました。どうやら「過ぎたるは及ばざるがごとし」のようで、簡潔な件名でメールの価値を画面上において伝えきることで、クリックが促進される傾向があるようです。

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メールボックスプロバイダーの成長

2021年と2022年のホリデーウィークで受信者分布がどのように変化したのか、データを深く掘り下げました。調査結果によると、Apple MailとApple Mail Relayが最も大きな伸びを示しました。これは、当社が観測したMPPの開封数の増加と一致しています。一方、Gmailの受信者はドイツの特定のメールボックスプロバイダーと同様に26%という非常に健全な伸びを示しました。

これらのデータは、より多くのメールが匿名で開封されているということを意味しているものと考えられます。しかし、そうでないメールについては受信者がどのメールボックスプロバイダーを利用しているかを把握することが重要です。各プロバイダーには独自のデザイン要件があり、さらに地域によってプライバシーや同意に関する要件が大きく異なる可能性があるからです。

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スループット

すべてのメールボックスプロバイダーが同じように設計されているわけではありません。過去にTwilio SendGridプラットフォームのスピードについて、あるいは重要な処理部分についてはミリ秒単位でメールを配信処理する能力について報告したことがあります。今年の振り返りでは、個々のメールボックスプロバイダーのエンドツーエンド時間の中央値を見て、メールが受信トレイに届くまでの間に、どこで渋滞に巻き込まれる可能性があるかを調べました。

平均すると、1週間を通じてエンドツーエンド時間の中央値は2秒でした。しかし、個々のメールボックスプロバイダーのエンドツーエンド時間の中央値(メールを送信してから “250 OK” の信号を受信するまでの時間)を見てみると、ばらつきが存在することに気付かされます。

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これは、タイムセールなどを受信者の分布等を意識して精密に計画すべきだということでしょうか?必ずしもそうではありませんが、メールのルーティングやトランジットがいかに微妙に異なるものであるかを示すデータです。

一貫性・柔軟性を意識した規模拡張

かつては1日だけの買い物だったものが、今では1週間にわたるマルチチャネルのお買い物イベントとなりました。毎年、お客様のボリュームが増えるのを目の当たりにしていますが、Twilio SendGridプラットフォームにとってこれはどのような意味を持つのでしょうか?

受信者の皆さまに効率的かつ迅速にリーチできるよう、一年を通してホリデーウィークの計画を立てるべきということだと理解しています。その効率性を一年中提供するために、当社では休暇に対する考え方、あるいは一貫性・柔軟性を意識した規模拡張とはどうあるべきか、一年を通して絶えず見直し、構築や運用に反映を掛けています。

当社自身、Twilio SendGridプラットフォームの将来に期待しており、ホリデーウィークなど、最も重要なタイミングにおいて顧客の受信トレイに到達することに依存しているすべてのお客様に選ばれるプラットフォームであり続けるために、あらゆる努力を行うつもりです。

なお、今年のサイバーウィークの総括と、ホリデーシーズン中と後の両方でメールを最大限に活用するためのヒントについてLinkedInの最近のウェビナー(英語)で解説していますので、併せてご活用ください。