ローコードでアプリ開発する際の6つの利点
読む所要時間: 8 分
ローコードアプリの開発は、ビジネスのあらゆる場面で脚光を浴びています。開発者、IT部門、マーケティング部門、販売部門、そして人事部門までもが、ローコードアプリとプラットフォームを使用して、時間の節約と効率アップを実現するアプリケーションを構築しています。
なぜ、カスタムメイドの従来手法ではなく、ローコードアプリ開発を利用するのでしょうか。
もしすべての人が無限の予算、時間、開発人材を持っていたら、ローコードツールは必要ないでしょう。しかし私たちは、限られた開発者のリソース、資金も乏しく、納期を守らなければならない世界にいます。
ローコードアプリ開発の利点(コードを書く労力を少なくできる)は、明白に思えるかもしれませんが、実はもう少し広域で、かつ深い意味における利点があります。本ブログ記事では、ローコードプラットフォームとアプリ開発のあらゆる利点を紹介します。
ローコードアプリ開発の6つの利点
1. コーディングスキルがあまり必要ない
経験豊富なプログラマはどの部門にとっても貴重な人材ですが、コストがかかり、さらに見つけるのも雇うのも難しいものです。ローコードアプリにおける開発では、担当者が自分で基本的なコーディングとデプロイ(配備展開)を行えるようにします。
例えば、あなたが弁護士だとします。そのあなたが従来、複雑なウェブサイトやモバイルアプリを立ち上げようとすると、プログラマを雇って構築してもらう必要がありました。しかし、そのプログラマは法律の基本を理解していなければなりませんし、そうでない場合には何度もやりとりをしなければなりません。
ローコードツールやプラットフォームを使えば、弁護士であるあなたが開発者の役割も果たせます。ドラッグ&ドロップエディター、その他のローコードツールを使って、ウェブサイトのビジョンを自分自身で実現することができます。フルコードのアプリ開発で得られる柔軟性のすべてを手に入れることはできませんが、必要な機能をすべて手に入れられる可能性は十分にあります。
2. デプロイまでの時間を短縮
ローコード開発ツールは、ミキサーやフードプロセッサといったキッチンエイド家電のようなもので、あなたが作っているどんなアプリケーションに対して退屈で時間のかかる手順を引き受け、より早くデプロイできるようにします。参入障壁が少ないため、より多くの人が参加することによりプロセスを加速することができます。
ローコードアプリの開発では、技術者でないユーザーでもMVP(Minimum Viable Product)を作成できるようにします。このプロトタイプは開発者が本格的な開発に参加する前に評価することができ、時間とコストを節約できます。MVPがうまくいかない場合は、それを破棄して次のMVPに進めばいいのです。
また、開発者にソリューション構築のプレッシャーを与える必要もありません。ローコード開発では、コードを書かない担当者が統合アプリケーションを迅速に構築することができます。開発のスピードが上がればデプロイも早くなり、顧客満足度や収益も向上します。
誰もが得をする可能性が高まるのです。
3. 開発コストの削減
開発者は貴重な存在ですが、すべてのビジネスが潤沢に開発者リソースを持っている訳ではありません。したがって、収益性の高いアプリケーションを構築するためには開発コストを適切に管理する必要があり、ローコードアプリはその点で優れています。
ローコードアプリの開発では、現在も将来も、必要なリソースが少なくて済みます。現在構築している複雑なコーディングプロジェクトは初回だけで完了するプロジェクト・製品ではなく、ユーザーによる利用が続く限り、変更、修正、更新が必要になります。またカスタムメイドであるため、アプリケーションの保守(革新も含む)のためだけに、専門の開発者が常に現場にいる必要があります。
ローコードを活用しない構築の場合、運用保守はコストが高くなるものと考えています。
4. 効率的なコラボレーション
従来のアプリ開発では、コーディングをする人としない人というように部門が分断されていました。ビジネス部門(コーディングしない人)はビジョンを計画し、開発者(コーディングをする人)にその構築を任せますが、プロジェクトやスコープが「翻訳」されずに失われてしまうのです。
ローコードアプリの開発は、このようなサイロを取り払い、両者がリアルタイムに貢献できるようにします。経営陣からフロントエンド開発者まで、すべての人がプロセスを通じて参加し、アプリケーションに命を吹き込むことができるのです。
部門間で伝言ゲームや芋づる式に面倒な作業をする必要はありません。今こそ、本当の意味で協働できるのです。
5. 顧客体験の向上
デプロイまでの時間を短縮することは、顧客にとってより良い体験につながります。投資する前にテストを行い、早い段階で反復し、必要に応じて「方向転換」することができるため、顧客を満足させる製品を作ることができます。
最終的には顧客体験を向上させることこそがすべての目的であることを考えると、この視点はとても重要だと思っています。
ローコードのアプリ開発は、不完全なソリューションを迅速に出荷するための安価な回避策ではありません。コードの習熟度に関係なく、ペインポイントを解決する高品質なアプリケーションを構築できるようにするためのシンプルなプロセスと見るべきです。
試行錯誤の末に完成したユーザーインターフェイスやテンプレートを利用することができるのも利点でしょう。
6. 生産性の向上
ローコード開発は、開発者や非技術系ユーザが、より短い時間でより多くのことを成し遂げることを可能にします(これはまさに効率化の定義と言えます)。
また、前後のプロセスやハンドオフ間の待ち時間をなくすことができます。各部門で、少しやって、少し待って、少しやって、少し待ってということをする必要がなく、リアルタイムに協働することができます。
また、他人のスケジュールに合わせて仕事をする必要もありません。もし、すぐに解決策が必要なら、次のスプリント*まで待たずに、自分でMVPを作ることができます。(* アジャイルなアプリ開発の手法における開発期間の1単位で、通常は2−3週間ほどです。)
ローコードのアプリ開発を始めてみる
ノーコードやローコードツールを使って、アプリ開発を行ってみたいと思いましたか? 当社の「ノーコードアプリ完全ガイド」(英語ブログ)をご確認いただき、最適なツールやプラットフォームについてご確認ください。ローコードおよびノーコードアプリ開発のあらゆる利点を活用できるよう、お手伝いいたします。
上記ガイドでは、Twilio Studio、Quick Deploy、Twilio SendGrid Emailなどのツールを使って、ノーコードやコピー&ペーストのオプションでコミュニケーションソリューションをアプリに構築する方法を紹介しています。
コミュニケーションの未来を創造しましょう!