Twilio Voiceの通話録音のデフォルト動作モードがデュアルチャネルに..
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Twilio Voiceサービスの通話録音に関する機能強化のお知らせです。Twilioクラウドに記録・保存される通話録音の音声ファイルが、追加費用なし、デフォルトでデュアルチャネルとなります。新規アカウントについては本日より開始し、すべてのアカウントに対して順次展開していきます。(日本語編集上の補足: 「本日」とは、ブログ記事(英語オリジナル)が発行された2022年5月下旬を指します。)
今回の変更により、通話録音の2者間音声ファイルは2チャネルとなり、それぞれの通話パスの音声が別々のチャネルに格納されるようになります。録音した通話の参加者を個々に処理することで、話者に関する正確性を大幅に向上させることが可能になりました。以前はすべての音声を1チャネルにミックス(混声)するのがデフォルト動作でしたので、参加者ごとに別チャネルに録音するには、デュアルチャネルを明示的に指定する必要がありました。
このリリースの一環として、デュアルチャネルでの通話録音はモノラルチャネルの通話録音(+ストレージ)と同額になりました。Twilio Voiceサービスのすべてのお客様にデュアルチャネル録音によるメリットを享受いただきたいためです。
デュアルチャネル録音の価値
通話録音は、多くの場合、顧客ジャーニーと満足度の把握、証跡の収集(コンプライアンス)、改善すべき領域の特定のために使用されています。例えば、コールセンターでは、サービスの品質保証とオペレーターのトレーニングのために会話分析をよく使用します。
企業では従来、オペレーターの品質スコアやコンプライアンスを確認するために録音を社員が聞いていました。しかし、規模とともにコストが増大するため、企業は全ての録音を確認するのではなく、ごく一部の録音をランダムに選択して確認せざるをえませんでした。また、通話を聞くことは、セキュリティやプライバシーの問題につながる可能性があります。
人工知能の進歩により、録音を自動的に書き起こしたものに機械学習アルゴリズムを適用することで感情解析や通話スコアリングなどの分析を、より拡張性が高く一貫性かつ安全な方法で行えるようになりました。
今回の機能強化では、2者間通話の録音リソースに関連付けられたメディアが2つのチャネルを持ち、それぞれの通話パスの音声が別々のチャネルに格納されるようになります。参加者別のチャネルとなるため、書き起こしの精度が自動的に高まります。
デュアルチャネル音声録音を有効にする方法
お客様のTwilioアプリケーションに変更を加えることなく、すべての2者間通話がデュアルチャネルで録音・保存されるのがデフォルトになります。ファイルのダウンロードについては、引き続き必要に応じてモノラルまたはデュアルチャネルでダウンロードすることが可能です。
通話者視点の片側通話録音を有効にすることも引き続き可能です。この場合、recordingTrack
パラメーターを使用して、通話の着信と送信のいずれのオーディオトラックを録音するのかを選択します。この場合、録音ファイルは常にモノラルになります。
デュアルチャネルのメディアファイルのダウンロード
通話録音は、デフォルトでデュアルチャネルでTwilioに保存されるようになりました。
2者間通話の録音リソースに関連付けられたメディアファイルは2チャネルとなり、それぞれの通話パスの音声が別々のチャネルに格納されます。新しいクエリパラメーターRequestedChannels
を使用すると、ダウンロード前にTwilioでファイルをシングルチャネルにダウンミックスするか、デュアルチャネルファイルをそのままダウンロードするかを指定できます。
- 後方互換で、クエリパラメーター
RequestedChannels
が指定されていない場合、デフォルトのダウンロードは、録音時点の設定内容次第でモノラルまたはデュアルのいずれかになります。 - TwiMLの<conference>名詞句や<record>動詞句など、デュアルチャネルがサポートされていない通話録音では、すべての音声をシングルチャネルのファイルに保存し、ダウンロードに際してデュアルチャネルが明示的に要求された場合は
Not Found
を返します。
例: デュアルチャネルかつMP3ファイルフォーマットでダウンロード
音声データのフル活用に向けて
Twilio Voiceの通話録音機能は、会話を最大限に活用するために役立ち、コンプライアンスや品質保証、会話分析による顧客理解を促進しつつ、お客様がデータをフル活用する手助けをします。
今後のさらなる機能強化にご期待ください。コミュニケーションの未来を創造しましょう!