アジア・太平洋系米国人へのハラスメントに対するTwilionの対応

May 17, 2021
執筆者
Twilio
Twilion

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ここ米国において、Twilioはアジア・太平洋系米国人の文化遺産継承月間に際し、アジア・太平洋系米国人(AAPI)の歴史的業績と文化の違いを尊重し、米国の歴史に与えた影響を考えるイベントを実施しています。

この月間は、連邦議会職員のJeanie JewがFrank Horton下院議員にアプローチしたことで始まりました。1976年の米国200周年記念にアジア・太平洋系米国人への認識が欠けていたことを受けてのことでした。それから一年してアジア・太平洋系米国人遺産週間が始まり、1990年には遺産月間とする法案が可決されました。1992年には5月が正式にアジア・太平洋系米国人の文化遺産継承月間となりました。

5月はAAPIのコミュニティにとって大きな意味を持ちます。1843年5月、日系移民が米国に到着し、20年後の同じく5月、大陸横断鉄道が開通しました。これは20,000人を超える中国系労働者の存在なくして実現不可能なプロジェクトでした。

苦悩の歴史

社会全体から単一的で微妙な違いと多様な文化を持つとみなされる集団が、一般的に(そして軽率に)「アジア系」とひとくくりに扱われています。残念ながら、米国は必ずしも広くアジア人社会とその小さな副次文化を対等に扱うことが多くありませんでした。

1800年代末には米国への移民を制限する中国人排斥法が施行されました。多くの米国人が、賃金低下の原因が中国人労働者にあると考えたためです。こうして中国系の市民権は60年以上にわたり制限を受けました。第二次世界大戦中は、米国に住む日系移民が収容所に拘留されました。時代を経て2001年、アジア系イスラム教徒やイスラム教徒と見られた人たちが911テロを受けて差別の対象となりました。

現在、アジア系米国人への暴力が再び増加し、コロナウイルスへの認識の誤りもあり、多くの反アジア感情が生まれています。非営利組織のStop AAPI Hateによると、2020年3月から2021年2月にかけて3,795件の事件が発生したことを報告していますが、これも実際に発生したヘイトインシデントの氷山の一角にすぎません。

Twilioのアクション

以上の理由から、Asians@TwilioTwilipinosの2つの従業員リソースグループが、あらゆるハラスメントの終結を目指す市民・社会組織のHollaback!と連携して活動をしています。グループは共同で、Bystander Intervention to Stop Anti-Asian American and Xenophobic Harassment(反アジア系米国人/外国人ハラスメントを止めるための傍観者介入)のトレーニングセッションを実施しています。

Twilioで製品マーケティングを担当し、Asians@Twilioの共同議長でもあるJulie Eaは、アトランタの発砲事件やサンフランシスコの痛ましい事件を受け、アジア・太平洋系米国人に対する差別への認識を広めたいという思いがトレーニングを実現させたと述べています。

「私たちは無力な人たちと同じ思いで、自分たちにできることはないかと考えています」と彼女は言います。「Bystander Interventionトレーニングは、コミュニティのメンバーだけでなくTwilioの仲間も、ハラスメントに出くわしたときに役立つツールを身につけることができます。」

トレーニングでは、アジア人とアジア系米国人社会へのハラスメントについて、自覚のない差別からひどい暴力まで、「軽蔑のスペクトラム」と呼ばれるレンズを通じて分類しています。これらの事例には、相手を蔑む考えや人種差別的なジョーク、ニュースやソーシャルメディアによりたびたび明らかになる事件、例えばアジア人への「国へ帰れ」などの発言や、アジア言語やなまりを嘲笑するなどの嫌がらせなどがあります。そのほか、いじめやオンラインハラスメント、アジア系米国人を蔑む落書きやインターネットミーム、性的・身体的暴力なども含まれます。

傍観者介入の手法

トレーニングではさまざまな嫌がらせについて検討した後、被害を受ける人を支えるさまざまな方法を提案しています。ハラスメントは許容できないことを強調し、他者に対してコミュニティや職場をより安全なものにする力があることを伝えます。

これらの傍観者介入の方法により、介入時の自分の安全を優先する方法も学びます。 Hollaback! はこれを「5つのD」として次のように定義しています。

  1. Distract(そらす): 間接的なやり方で状況をエスカレートさせないようにします。
  2. Delegate(委ねる): 誰か近くの人に介入の手助けを頼みます。
  3. Document(記録): 被害者を映像に記録し、次のステップを考えます。許可なくオンラインにアップロードしてはいけません。
  4. Delay(時間を置く): 状況が落ち着いたら、被害者とともに安全を感じられることを確認します。
  5. Direct(指示): 安全と思えたら、ハラスメントについて声をあげます。確固として明確に伝えます。

参加者の反応

トレーニングを振り返り、Julie Eaは米国におけるアジア・太平洋系米国人に対する差別の歴史概略を伝え、介入のための明確な手法を伝えることができたと感じています。「トレーナーは介入者自身の安全を強調するとともに、ハラスメントの被害者に目を向けることも強調してくれたことを評価します」と彼女は語ります。

130名を超えるTwilio従業員が参加したことは励みになります。Hollaback!が全参加者に実施した調査によると、回答者の100%がこの種のハラスメントに遭遇したときに介入する備えができたと感じています。

参加者の一人、Aaron LimはTwilioサンフランシスコ本社のシニアグロースアナリストです。「トレーニングに参加し、ハラスメントに遭遇したときの対応法や方策のないことに気づきました」とLimは言います。「しかし、5つのDを学んだことで、傍観者あるいは被害者の立場で備えができたと感じました。機会があれば皆さんにぜひ参加してほしいと思います。」

Riley Westはテキサス州オースティンから参加のTwilioプロデューサーです。彼もLimと同じ感想です。「トレーニングはさまざまな対処法を知るよい機会で、安全に介入するための多くの方法が理解できました」とWestは振り返ります。「対話形式のワークショップも、さまざまなシナリオへの対応を考える端緒として役立ちました。」

誰もが何かできる

最近の反アジア系ヘイトクライムや暴力を受け、これまで以上にAAPIのコミュニティと結束を深め、互いに行動する傍観者となることの重要性が増しています。Hollaback!のWebサイトの調査によると、共感していることを目配せで伝えるだけでも、被害者のトラウマを大きく和らげる効果があるとのことです。私たちにできる最も重要なことは、被害者に大小何らかの形で、彼らが一人ではないことを認識してもらうことです。

TwilioはAAPI Twilionの支援に引き続き努めます。このたびのアジア・太平洋系米国人の文化遺産継承月間では、Twilioはさまざまなイベント、気軽な会話やアクティベーション活動を通じて多様なAAPIコミュニティの生の体験や事例を称え、学ぶ目的をはたしました。トレーニングに多数のご参加をいただき、この月間を始められたことを嬉しく思います。

Asians@Twilioが語るモデルマイノリティをご覧ください。

反人種差別の組織としての取り組みについても詳しく紹介しています。

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