Be My Eyes 様、Programmable Video ソリューションを活用し、視覚障害の方へ視界を届けるサービスを提供

December 18, 2020
執筆者
Jacob Talbot
寄稿者
Twilio の寄稿者によって表明された意見は彼ら自身のものです
レビュー担当者

Be My Eyes

この記事は 英語版ブログ記事 の抄訳です。

読者の皆さんは非営利団体や社会的企業の一員で、社会的に良いサービスを作りたいと思っていますか。Twilio.orgでは、あなたの活動を支援するプログラムをご用意しています。詳しくはこちらをご覧ください。

あなたが最後に食料品店を訪れ、商品を手に取り、裏返して成分を確認したのはいつでしたか。その時に成分説明を読めなかった場合を想像してみてください。あるいは、自宅で妊娠検査薬を使用したものの、結果を読み取れなかった場合はどうでしょうか。

日常的な作業から人生の重要な局面まで、視力の存在を多くの人が当然のことだと思っています。しかし、世界中で2億5300万の人々が日常生活に影響を及ぼす視覚障害を抱えています。Be My Eyes(ビー・マイ・アイズ)は、コミュニケーションの力を通じて世界中の視覚障害者や弱視の人々に “見える” を提供したいと考えています。

視覚障害と個人の自立

視覚障害・弱視といってもさまざなです。ある人は、食品庫からものを選べても、調理方法を読めません。また、クローゼットの中から洋服の組み合わせを選んだり、シャワー中にシャンプーやリンスのボトルを区別するのに苦労する人もいます。

視覚障害を乗り越えるために、多くの人が身近な人々に助けを求めますが、これにはそれなりの課題があります。Be My Eyesの最高商業責任者(CCO)であるアレクサンダー・ハウエルズレフ・ジェンセン氏は、「日常の作業を友人や家族に頼ると、人間関係に負担をかけてしまいます。このような依存関係は、視覚障害者が生活の中で真に自立することを妨げています」と説明しています。

誰もが助けを必要とするときに、親しい人間関係だけに頼る必要がないよう、ほかの人の視界を利用できるとしたらどうでしょうか。それがBe My Eyesの答えです。

第三者の視界

Be My Eyesは、iPhoneとAndroid端末向けに同名のモバイルアプリを提供しており、視力に不自由のないボランティアと視覚障害・弱視のユーザーをビデオチャットで結び付けます。わずか数秒で、ユーザーはボランティアとつながり、携帯電話のカメラを対象物に向けるだけで、ボランティアが状況を説明できます。「これはTwilioを利用したコミュニティサポートプラットフォームであり、視覚障害者の問題を音声で解決する場合と比べ、何分の一かの時間で解決できます」とジェンセン氏は説明します。

2015年のアプリ・リリース当初の需要は、解決されなければいけない大規模な課題をBe My Eyesが特定したことを如実に物語っています。「一晩で約10,000人のボランティアと1,000人の視覚障害・弱視者が登録していました」とバトラー氏は言います。「このサービスが本当に価値のあるものであることは最初から明らかでした。」

Be My Eyes Product

 

ユーザーエンゲージメントと信頼の構築

ユーザーベースの即時かつ劇的な成長に伴い、Be My Eyesが当時、全世界規模で提供していたシステムにはユーザーにとって重要な問題である接続時間の遅延が生じていました。「助けを求めているときには、ほんの少しの時間が永遠のように感じられます」とジェンセン氏は説明します。

この時点では、Be My Eyesは複数のプロバイダーからビデオ接続の供給を受けていましたが、Twilioがより高速で高品質な接続を提供していると判断しました。「Twilioが最良の選択肢であり、非常に安定した接続を実現できました」とジェンセン氏は言います。その結果、Be My Eyesは、すべてのトラフィックをTwilioに移行することを決定しました。

Twilioに移行してから、Be My Eyesは接続時間を50%以上短縮しました。このような時間短縮は、ユーザー体験に欠かせないものです。「待ち時間を1秒でも短縮できることは、より多くの信頼、より多くのエンゲージメント、そしてコミュニティ内でのより強い絆を意味します。接続時間が50%短縮されることは、ユーザーにとって大きな違いを意味するのです」とジェンセン氏はコメントします。

大規模なスケールでの自立

Be My Eyesは現在、437万人以上のボランティアと27万人以上の視覚障害・弱視者とのつながりをサポートしています。ボランティアは世界150カ国、185言語にまたがり、24時間アクセス可能です。

またBe My Eyesでは、アプリ内の新機能 ”専門ヘルプ” を通じ企業が提供するサービスについて、視覚障害・弱視のユーザーに対して無料サポートを提供できます。パートナー一覧には、Google、Microsoft、P&Gのカスタマーサービスチームが含まれており、Be My Eyesの技術を活用して製品のライブビデオサポートを可能にしています。

目をみはる規模拡大の側面以上に、Be My Eyesが生み出すインパクトを最も的確に語る一面が、ユーザー自身が共有するストーリーではないでしょうか。テクノロジーがどのようにして、彼らの生活の中でより多くのことを可能にしているか、というストーリーです。家族のために食事を作る際に、食品庫から適切な食材を選べる父親。音楽コレクションを再編成できるティーンエイジャー。あるいは、妊娠検査の結果を周りに知られずに把握できる女性。これらユーザストーリーです。

Be My Eyesで共有されたつながりを通じて、視覚障害者は個人の自立を取り戻し、ボランティアは視覚障害・弱視の経験を知ることができます。Be My Eyesの活動規模の大きさも相まり、これらの経験は、視覚障害者に対するより大きな共感と理解を持つグローバルなコミュニティを生み出しています。

Be My Eyesコミュニティに参加するには、以下サイトからアプリをダウンロードしてください。 https://www.bemyeyes.com/download 

おわりに

日本語版の投稿担当者として、初めてBe My Eyes様およびそのアプリの存在を知った2020年11月下旬を今でも思い出します。アプリインストール後、チュートリアルビデオの内容を確認し、来たる日に備えました。

初めてのチャンスは2020年12月初旬に訪れ、期待される結果を返すだけで精いっぱいでしたが、処方された4種類の薬の名前およびミリグラム数を正しく把握されたいというご要望でした。お互い相手が誰か分かりませんが、ビデオチャットを終えた後、このような支援体制がボランティアベースで存在する意義を、またテクノロジーが社会上の課題解決に貢献できる一面を改めて実感できた気がします。久しぶりに心が揺さぶられる経験でした。

Hiroto Masaki [正木 寛人]:Twilio Japanでプロダクト・マーケティングを担当しています。Twilioのイノベーションを皆さまにお届けすると共に、自分でも使って遊んで、優れているところ、いけてないところを実感し、皆さまからのフィードバックのループをガンガン回したいなと思っています。是非お力添え下さい!